北の自然の厳しさと天塩川にはぐくまれて生きる なかがわの森 メインビジュアル

中川町の森づくり

中川町の森づくりは、森の恵みをできる限りそこに暮らす様々な生き物と分け合う森づくりです。生物多様性に配慮し、天然更新力を生かした森づくりを進めます。経済的にも環境的にも持続しうる森づくりを進めるために路網整備にも力を入れています。

1.生物多様性への配慮

生物多様性への配慮

中川町有林では原則皆伐をしません。私有林でも皆伐可能面積は6haに制限されています。町有林では倒木や枯損木を積極的に残すことで、複雑で多様な構成の森づくりを進めています。

[クマタカの風切羽]
生物多様性の指標となるクマタカの風切羽と中川町の森
食物連鎖の頂点に位置し、傘種(アンブレラ種)とも呼ばれるクマタカの生息は、その傘下の生物相の豊かさと健全性を意味しています。中川町の森林には数多くの希少猛禽類が営巣し、豊かな森林生態系を現しています。
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2.天然更新力の活用

天然更新力の活用

「伐ったら植える」は林業における大原則の一つです。
しかし、中川町では自然の力によって植えなくても次世代の更新が見込める森林については、無理にコストをかけ人工林化しない施業を重視しています。種子源となる母樹の存在、傾斜、笹の濃さなどの諸条件を考慮し、天然更新力を利用した森づくりを行っています。

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[「掻き起し」によるカンバ類の更新]
道北森林にとって、樹木の天然更新を妨げる要因の一つとして笹の存在があります。笹は、樹木の種にとってとても強力な競争相手です。
そこで、笹を表土ごと取り去り硬質土壌を裸出させることで、カンバ類の発芽と生育を補助する作業を「掻き起し」と言います。
中川町では小面積伐採や未立木地に掻き起しを行うことで主にカンバ類の更新を目的とした施業を実施しています。
  • 天然更新力の活用 写真3
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路網整備の推進

中川町の森林は急傾斜で小河川と沢が発達した複雑な地形が特徴です。豊かな森林資源を有効に利用するためには、困難な地形を克服する堅固な作業路網が必要となります。そこで、中川町では全国有数の森林作業道開設技術者である田邊由喜男氏を招聘し、「田邊式作業道」の開設を進めています。

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[「田邊式作業道」とは何か?]
田邊式作業道とは、盛土工法によって均質な路体を作り、表土や根株の利用により法面緑化を早め、伐開幅をできる限り抑えた環境的にも経済的にも優れた道です。急傾斜、台風常襲地である高知県四万十で田邊氏が創案した技術を、地域の技術者と協力しながら道北対応型に改良する取組みを進めています。
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木材供給の取組み

中川町には豊かな森があり、先人たちが大切に植え育ててきた林があります。町有林だけでも2,000haの森林を有し、年間8,000m3~10,000m3もの森林が成長しています。 中川町は、成長量の一部を木材として生産していますが、森を薄利多売で切り売りしないためにも、地元の雇用を守るためにも少ない伐採量でたくさんの雇用を維持できるよう木材を適正価格で売る工夫をしています。

1.工房宮地 宮地鎮雄氏への木材供給

工房宮地 宮地鎮雄氏への木材供給

平成25年7月、中川町は東川町で家具工房を営む宮地鎮雄氏と町産オニグルミを安定的に供給する協定を締結しました。枝節、腐れ、曲りなど欠点の少ない家具材はもちろん、これまで欠点と切り捨てられてパルプ材にしかならなかった木材が、北海道を代表する家具作家である宮地氏の手によって高級家具に生まれ変わります。

[木材トレーサビリティ]
食品のトレーサビリティ(追跡可能性)が話題になることが増えてきました。私たちが口にする食品がどこからどのような生産・流通工程を経て私たちの手元に届けられたのかに関心を示す人は多いようです。一方、木材のトレーサビリティを気に掛ける人はまだまだ多くはありません。地球の裏側で深刻な森林破壊の結果生産された木材は現実に日本に輸入されており、「口に入るわけじゃないので遠い国の木材でも良い」という木材利用は、地球にやさしくありません。 中川町は、木材のトレーサビリティ確保のための取組みを進めています。
1.工房宮地 宮地鎮雄氏への木材供給 写真1
旭川家具工業協同組合への木材供給

旭川家具工業協同組合への木材供給

現在、旭川家具工業協同組合では、「ここの木の家具、旭川プロジェクト」を進めています。
旭川家具は、日本5大家具産地に数えられる日本屈指の家具産地ですが、製作の大部分を外国産材に頼っていました。
旭川家具は、ふたたび地元の広葉樹で家具をつくることに産地全体で取り組もうと決意し、中川町はこの取組みを木材供給面で支援しています。

旭川家具工業協同組合への木材供給 写真1
[中川町の木材は高品質?]
天然林には、主に常緑広葉樹から成る森、落葉広葉樹から成る森、針葉樹から成る森など様々な姿があり、南にいくほど常緑広葉樹が増え、北にいくほど針葉樹が増える傾向があります。
温帯の北限、寒帯の南限付近に位置する中川町天然林のなまの姿は、針葉樹と広葉樹が入り混じった針広混交林です。
通直な針葉樹の中で育った広葉樹は、枝の分岐が遅く、真っ直ぐに伸びる傾向にあるため、高品質な家具材が生産される可能性に恵まれています。 的とした施業を実施しています。
  • ここの木の家具 旭川プロジェクト
  • 旭川家具工業協同組合 - 北海道旭川市
旭川家具工業協同組合への木材供給

君の椅子プロジェクトへの木材供給

平成26年7月、中川町、北大中川研究林北管理部、君の椅子プロジェクトは、君の椅子への木材供給に関する3者協定を締結しました。
今後君の椅子は、中川町と北大研究林北管理部から生産された木材で製作されます。君の椅子プロジェクトは、誕生した命の居場所として木でできた子どもの椅子を贈り、地域全体で祝福するという取組みです。東川町、剣淵町、愛別町、東神楽町、中川町が参加しています。

君の椅子プロジェクトへの木材供給 写真1
[君の椅子プロジェクトへの参加で目指すこと]
君の椅子は、確かな技を持つ旭川家具の職人が作ります。職人が手にする木材は、確かな技を持つ中川町のきこり(伐倒手)が生産するのです。そして、きこりが倒す木は中川町の森が育てます。
君の椅子という小さなアイテムを通じて、子ども、家族、地域、家具職人、きこり、森が一つの輪としてつながり、君の椅子と子どもを照らしていた温かな光が、家具職人やきこりを経て、森に届くという取組みに育てていきたいと考えています。
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  • 「君の椅子」プロジェクトFacebookページ
君の椅子プロジェクトへの木材供給 写真3